
1. 1. 戦隊出身俳優が“売れる”理由とは?
近年では「若手俳優の登竜門」として定着し、演技経験が浅い新人が主役に抜擢されることも多いです。
戦隊シリーズで得られるのは、単なる知名度ではなく現場対応力・演技の持続力・身体表現の基礎。
撮影スケジュールが過酷なぶん、短期間で役者としての“筋肉”が鍛えられます。
さらに、親世代や子どもたちに顔を覚えられるため、「全国区の認知度」を得やすいという強みもあります。
この環境で磨かれた俳優が、後に民放ドラマ・映画で主役を張る──
まさにスーパー戦隊は“ヒーロー養成所”と呼ぶにふさわしい場なのです。
2. 「売れた俳優」とは何を指すか?
今回は「スーパー戦隊出身で売れた俳優」というテーマで、以下の基準を設けて選定しました。
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スーパー戦隊シリーズに主要キャストまたは主役(レッドなど)として出演
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戦隊出演後、全国的に知名度を獲得し、俳優として継続的に活動
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代表作・受賞歴・主演経験があり、戦隊出身という経歴を超えて評価されている
この条件に最も合致する5人を厳選しています。
では早速、“スーパー戦隊出身で最も売れた俳優たち”を紹介していきましょう。
3. 松坂桃李(侍戦隊シンケンジャー/シンケンレッド)

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放送期間:2009〜2010年
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役名:志葉丈瑠(シンケンレッド)
松坂桃李は、「戦隊出身俳優の成功例」として必ず名前が挙がる存在。
『侍戦隊シンケンジャー』で武士の血を引く“殿様ヒーロー”を演じ、端正な顔立ちと落ち着いた演技で注目を集めました。
その後、『マエストロ!』『孤狼の血』『あの頃。』などで確かな演技力を披露。
日本アカデミー賞やブルーリボン賞にも輝き、今や「実力派俳優」の代表格となりました。
彼の特徴は、戦隊で培った“凛とした佇まい”を保ちつつも、コメディからシリアスまで自在に演じ分ける柔軟さ。
戦隊の“正義感あるヒーロー像”が、後の演技にしっかりと根を下ろしています。
4. 横浜流星(烈車戦隊トッキュウジャー/トッキュウ4号)

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放送期間:2014〜2015年
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役名:ヒカリ(トッキュウ4号)
横浜流星は、戦隊出演当時まだ10代。クールで頭脳派のキャラ“ヒカリ”を演じ、アクションシーンでは極真空手黒帯の実力を見せました。
戦隊出演後は、『あなたの番です』『初恋ロスタイム』『ヴィレッジ』『国宝』などに次々と出演。
今や映画・ドラマ・雑誌で引っ張りだこの存在です。
戦隊時代の「冷静沈着キャラ」が、後の“クールでミステリアスな俳優像”に繋がっています。
演技・ビジュアル・身体能力、三拍子揃った正統派俳優です。
5. 山田裕貴(海賊戦隊ゴーカイジャー/ゴーカイブルー)
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放送期間:2011〜2012年
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役名:ジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)
山田裕貴は、『海賊戦隊ゴーカイジャー』でクールな剣士タイプのブルーを演じました。
放送当時から「芝居がうまい」「表情が生きている」と注目され、卒業後は演技派俳優として頭角を現します。
『キングダム』『どうする家康』『ペンディングトレイン』などヒット作に連続出演。
戦隊出身俳優の中でも特に“演技力”で勝負するタイプで、幅広い役柄を演じ分けています。
今や“若手演技派”の代名詞的存在であり、業界内の評価も非常に高いです。
6. 千葉雄大(天装戦隊ゴセイジャー/ゴセイレッド)
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放送期間:2010〜2011年
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役名:アラタ(ゴセイレッド)
千葉雄大は、可愛らしいビジュアルで“癒し系ヒーロー”として人気を博しました。
戦隊時代の明るく前向きなキャラクターが、俳優としての「柔らかさ」「中性的な魅力」に繋がっています。
戦隊後は『おっさんずラブ』『ブラッシュアップライフ』などで新境地を開拓。
バラエティやナレーション、舞台でも活動の幅を広げ、マルチなキャストとして愛されています。
戦隊出身でここまで“独自のキャラクター性”を確立した俳優は稀であり、彼の存在が次世代のモデルになっています。
7. 志尊淳(烈車戦隊トッキュウジャー/トッキュウ1号)

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放送期間:2014〜2015年
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役名:ライト(トッキュウ1号)
志尊淳は、横浜流星と同じ『トッキュウジャー』シリーズに出演。明るく無邪気なリーダー・ライトを演じました。
戦隊終了後すぐに『女子的生活』で主演を務め、ジェンダーレスな演技が話題に。NHKドラマでの演技が評価され、俳優として一気に全国区へ。
『フェルマーの料理』『ムチャブリ!』『さんかく窓の外側は夜』など、多彩な作品に出演。
繊細な感情表現と柔らかい雰囲気で、俳優としても確固たるファン層を築いています。
戦隊での“真っすぐなヒーロー像”と、後年の“繊細で複雑な人物像”の演じ分け──このギャップこそが志尊淳の最大の武器です。
8. 戦隊出身の5人に共通する「売れた」要因
これら5人に共通する成功の理由は、単なる人気や外見だけではありません。
以下のような共通点が見えてきます。
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① 経験値の蓄積:毎週アクション・芝居を重ねる戦隊撮影が、演技の地力を高めた。
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② 幅広いファン層:子どもから大人まで浸透する戦隊ブランドが、俳優人気の土台に。
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③ 芸能界の“信頼感”:東映×テレビ朝日系列の実績が、業界内での信用を生む。
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④ 戦隊を超える個性:戦隊出身という枠を超えた「演技派」「個性派」「モデル系」への成長。
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⑤ 継続力と挑戦心:戦隊で終わらず、常に新しいジャンルへ挑戦し続けている。
つまり、戦隊シリーズは単なる“ヒーロー番組”ではなく、俳優としてのキャリア形成プラットフォームになっているのです。
9. まとめ:「スーパー戦隊 売れた俳優」たちは次世代のスター育成の証

今回紹介した5人──松坂桃李、横浜流星、山田裕貴、千葉雄大、志尊淳──はいずれも、戦隊を経て俳優として飛躍した代表例です。
彼らに共通するのは、「戦隊=通過点」ではなく、「戦隊=基礎と飛躍の原点」として生かしていること。
戦隊キャストとしての努力が、後の大舞台での演技や立ち居振る舞いに反映され、視聴者を惹きつけています。
今後も、スーパー戦隊シリーズは“未来の人気俳優を生む場所”として輝き続けるでしょう。


