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5キロバイト (672 語) - 2025年10月17日 (金) 02:40
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1. オールドメディアとは?|“一方通行”の情報発信スタイル
「オールドメディア(Old Media)」とは、インターネットが普及する以前から存在していた伝統的なマスメディアのことを指します。
代表的な例を挙げると、
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新聞
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テレビ
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ラジオ
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雑誌
といったものです。
これらは、いずれも「企業や報道機関など限られた発信者」が作り、「多くの人に一方的に伝える」形をとっています。
つまり、**情報の流れが一方向(=発信者 → 受信者)**という構造です。
オールドメディアの最大の特徴は「信頼性」。
記事やニュースは取材や編集など、複数のチェックを経て発信されるため、情報の正確性が高いのです。
たとえば新聞なら記者・デスク・編集長といった多層的な審査があり、誤報があれば訂正記事を出す責任も伴います。
ただしその一方で、スピード感には弱点があります。
紙面印刷や放送枠などの制約があり、速報性ではネットに劣ります。
また、視聴者は基本的に“受け取るだけ”なので、意見を伝えたり、反応を共有する手段が限られているというのも課題です。
2. ニューメディアとは?|“誰でも発信者になれる”時代の到来
一方、「ニューメディア(New Media)」とは、デジタル技術やインターネットを活用した新しいタイプのメディアを意味します。
代表的なものとしては、
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Webニュースサイト(Yahoo!ニュース、NewsPicksなど)
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SNS(X/Twitter、Instagram、TikTok、Facebookなど)
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YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイト
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noteやブログ、ポッドキャストなどの個人発信メディア
が挙げられます。
ニューメディアの特徴は、なんといっても**「双方向性」です。
誰でもスマホ1台で情報を発信でき、読者や視聴者がコメントやシェアで意見を返すことができます。
つまり、発信者と受信者の境界が曖昧になり、“誰もがメディア”**となったのです。
さらに、更新スピードの速さも魅力。
テレビや新聞が数時間〜1日単位で報道するのに対し、SNSでは事件が起こった「その瞬間」に情報が拡散されます。
この即時性こそ、ニューメディア時代の最大の強みです。
ただし、誰でも発信できる反面、情報の正確性にはばらつきがあるという課題もあります。
フェイクニュースや誤情報の拡散が問題になるのも、こうしたオープンな構造ゆえです。
3. オールドメディアとニューメディアの違いを比較
ここで一度、両者の特徴を一覧で整理してみましょう。
| 比較項目 | オールドメディア | ニューメディア |
|---|---|---|
| 代表例 | 新聞・テレビ・ラジオ・雑誌 | SNS・YouTube・Webメディア・ブログ |
| 情報の流れ | 一方向(発信者→受信者) | 双方向(発信者⇄受信者) |
| 発信者 | 限られた専門家・報道機関 | 誰でも可能(個人・企業) |
| 更新スピード | 遅い(放送・印刷の制約あり) | 速い(リアルタイム更新) |
| 信頼性 | 高い(編集・取材体制) | 玉石混交(個人発信も多い) |
| コスト | 高い(設備・制作費) | 低い(スマホ1台で可能) |
| 拡散力 | 限定的(放送圏・購読者数) | 爆発的(SNSで世界中へ) |
この表からもわかるように、
「オールドメディア=信頼性・専門性」
「ニューメディア=スピード・拡散性」
という違いがはっきりと見えてきます。
4. ニューメディアがもたらした“情報の民主化”
ニューメディアの登場によって、社会における「情報のあり方」は根本から変わりました。
以前は「限られたメディアが情報を選び、人々に届ける」というトップダウン型でした。
しかし今では、個人が情報を選び、発信し、世界に影響を与える時代です。
たとえば、SNSでバズった一投稿がテレビニュースよりも早く世論を動かすことがあります。
また、芸能ニュースや政治問題なども、一般人の発信が火種となり、マスメディアが後追い報道をするケースも増えました。
こうした変化は、まさに「情報の民主化」。
かつては記者やアナウンサーだけが担っていた“発信の特権”を、誰もが持つようになったのです。
とはいえ、自由度が高いぶん責任も問われます。
発信した内容が拡散され、誤情報だった場合は炎上や信用失墜を招くことも。
ニューメディア時代に求められるのは、**「リテラシー(情報を正しく扱う力)」**です。
5. オールドメディアはもう終わり?それとも進化中?
結論から言うと、決してそうではありません。むしろ、オールドメディアはその「信頼性」「取材力」「編集力」という強みを生かしながら、
ニューメディアとの融合・共存を進めています。
たとえば、NHKや日本テレビ、朝日新聞などはYouTubeチャンネルを開設し、SNSでニュースを発信しています。
紙面中心だった新聞も、今ではWebサイトやアプリで速報を配信するようになりました。
つまりオールドメディアは「消える」どころか、「デジタル対応」へと進化しているのです。
視聴者の行動が変われば、メディアも変わる。
オールドメディアも柔軟にその形を変えている最中なのです。
6. 両者の関係は「対立」ではなく「共存」
オールドメディアとニューメディアは、よく「古い vs 新しい」と対比されますが、
実際には補い合う関係にあります。
オールドメディアは「正確で信頼性の高い情報源」として、社会の基盤を支える存在。
一方のニューメディアは「スピード感と拡散力」で、より多くの人に情報を届ける役割を担っています。
たとえば災害時には、テレビが正確な情報を伝える一方、SNSが現場のリアルな声を拡散します。
このように両者は、目的に応じて使い分けることで最も力を発揮するのです。
また、最近では「ハイブリッドメディア」と呼ばれる形も増えています。
新聞社がSNSを通じて記事を拡散したり、YouTubeで解説動画を出すなど、
オールドメディアとニューメディアの境界線は次第に曖昧になってきています。
7. 現代人に求められる“メディアリテラシー”
今の時代、誰でも発信者になれる一方で、
「何を信じるか」「どこから情報を得るか」が問われるようになっています。
フェイクニュースや切り抜き動画、誤解を招くサムネイルなど、
ニューメディアの世界には“情報のノイズ”も多く存在します。
だからこそ私たちには、
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情報の出どころを確認する
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複数のメディアを比較する
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感情的な投稿に流されない
といったメディアリテラシーが欠かせません。
「オールドメディアだから正しい」「SNSだから怪しい」ではなく、
それぞれの特徴を理解し、状況に応じて判断できる力こそが、現代人に求められるスキルです。
8. まとめ|メディアの進化は“どちらが上か”ではなく“どう使うか”
「オールドメディア」と「ニューメディア」という言葉は、
単に古い・新しいという時間的な違いだけではなく、
情報との向き合い方の変化そのものを示しています。
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オールドメディアは「正確さ」「信頼性」の象徴
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ニューメディアは「スピード」「拡散力」「多様性」の象徴
この2つは対立する存在ではなく、むしろ共に進化しながら、
私たちの情報社会をより豊かにしているのです。
いまやメディアは一方的に受け取るものではなく、
「参加し、発信し、共有する」ものへと変わりました。
つまり――
時代を生きる私たち一人ひとりが“メディア”そのものなのです。


